MAGAの断片とディープ・ステート

28.08.2025

アレクサンドル・ドゥーギンは、ワシントンにおけるトランプとゼレンスキー、EU首脳との会談は、MAGAが断片化したことを示していると論じています。

ヨーロッパはトランプを持ち上げつつも裏では妨害を企図し、その結果ロシアが戦争と多極化へ全面的に関与せざるを得ない状況を生み出そうとしているのです。

実際のところ、トランプがゼレンスキーやEU首脳と行った会談は、MAGAの方針からは遠くかけ離れており、むしろ穏健で抑制の効いた大西洋主義にすぎません。同時に、トランプは徐々にキエフへの直接的な支援の姿勢を退き、全てをEUに委ねつつあります。しかしながら、彼は一日のうちに何度も見解を変えるため、これもまた正確な評価とは言えません。

EUとゼレンスキーは、トランプとの直接的な心理的対立を避け、彼を刺激せず、形式的に同意を示し、過剰なまでの称賛を浴びせるという方針を取っています。その上で、合意が成されても幾度となく妨害を試みるでしょうし、その機会には事欠かないはずです。さらに最悪なのは、合意が成立したとしても、ゴルバチョフ時代のように一方的に私たちだけが遵守させられる場合であり、そうした事態は何としても避けねばなりません。

大統領執務室に掲示された地図から判断するに、アラスカで私たちが提示した計画は極めて控えめで、最低限にすら満たない水準でした。それですら敵にとっては到底受け入れがたいものです。キエフの唯一の課題は、我々の攻勢をどうにか阻止し、体制を立て直し、欧州の軍隊を紛争に直接引き込むことにあります。そしてこれは、戦争がわずかにでも停滞した瞬間に即座に実行されるであろうことは疑いありません。

私の意見を押し付けるつもりはありませんが、現状においてプーチンとゼレンスキーの会談が——トランプを交えてであれ、そうでなくても——適切であるとは到底言えず、あまりにも時期尚早です。最低限の基準であっても、我々を満足させる和平の根拠は存在せず、その兆候すら見られません。

停戦に先立つ条件が存在しないのは一応良いことですが、それすらも瞬時に覆され得ます。現在のトランプの政策には、MAGA戦略の残滓しか残っていません。ディープステートは戦術をわずかに修正したにすぎず、西側集団との戦争は依然として継続しており、その根本的な方向性は何ら変化していないのです。

平和への希望の基盤は全く存在せず、戦線の構造そのものが最大の問題を孕んでいます。トランプは、アラスカでプーチンが提示した最低限の条件に一応は立脚していますが、その誠意と確実性を保証するものは何もありません。その一方で、我々を滅ぼそうと目論む勢力は、キエフやEUにとどまらず、共和党内のネオコンの台頭、民主党(すなわちウォール街と主要メディア)、そしてディープステートを含んでいます。MAGAもユーロ・ポピュリズムも、残念ながら真の主体性に達してはいません。

結局のところ、我々こそが戦争に真に臨み、多極化に取り組み、保守的転回を断固として進めなければならないのです。それをすべて真剣に実行すべき時が来ています。

この言葉が幾分か不人気に響くことは理解しています。結局のところ、「戦争」という言葉は、厳しく重い響きを持つものだからです。

翻訳:林田一博