「ゼレンスキー、言葉を選ばず発言・そしてウクライナの終焉」―ドゥーギンの見解

06.03.2025

昨日ホワイトハウスの大統領執務室で起こった出来事について、現時点で遠大な結論を導き出すのは時期尚早です。しかしそれが、非常に大きな影響を持つ出来事であることはすでに明らかです。その結果を正確に評価するには、もう少し時間が必要ですが、トランプ氏はすでにバイデン氏が始めた戦争が彼にとって無意味であるだけでなく、むしろ犯罪に等しい可能性が高いことを示しています。

もちろんトランプ氏やバンス氏は、まだ明確に「3年前に始まったウクライナでの戦争がバイデン政権の犯罪であった」と断言しているわけではありません。しかし昨日の出来事によって、多くの欧米人にとって明確になったことがあります。それは絶対的な優位性がないことを承知の上で、交渉の能力もなく立ち居振る舞いや、服装すらまともに整えられない独裁者を支援することが、まさに犯罪的な行為であるということです。バイデン政権が推し進めたロシアとの対決戦略は、実質的に核戦争を誘発しかねない挑発だったと言えます。

実際のところ現在トランプ氏とバンス氏は、ゼレンスキー氏との関係をどうするかという問題に焦点を当てているわけではありません。それどころかそもそもアメリカという大国が、ゼレンスキー氏のような人物との関係を気にする必要があるのかという疑問さえあります。彼は単なる小さな駒に過ぎず以前のグローバリスト体制に仕え、忠実な機械の一部として機能していました。しかしアメリカ国内で急激な政策転換が起こる中で、その変化に適応することができませんでした。現在アメリカでは真の保守革命が進行しており、国家のイデオロギーと政治が180度転換しています。その結果として世界の地政学的構造も、変わろうとしています。

こうした状況の中でゼレンスキー氏は、もはや誰からも必要とされない「有害な廃棄物」のような存在になりつつあります。グローバリストたちが自身の目的のために「反ロシア」として作り上げたウクライナという、地域での戦争を支援するという構図もすでに崩壊しました。つまりゼレンスキー氏は、トランプ氏やバンス氏だけでなく、アメリカ社会全体から見ても、アメリカに対して無謀な交渉を持ちかけて対立し、要求を突きつけようとする滑稽な存在として認識されるようになったのです。

当然ながらこうした態度はトランプ氏にとって、到底受け入れられるものではありません。確かにどの国にも狂信的な政治家は存在しますが、まともな社会では彼らが重要な意思決定を担うことは許されません。ゼレンスキー氏を作り出し、資金や武器を提供し、利用してきた勢力は、彼をうまく操ってきました。しかし政権が交代し、ルールも利害関係も変わった今、彼の存在価値は完全に失われました。それにもかかわらず彼はすでに消え去った旧勢力に仕え続けようとしています。当然ながら新しい政権にとっては、こうした「時代遅れの駒」は邪魔なだけです。適応できない旧体制の残党は厩舎へ送られるか、あるいは完全に排除される運命にあるのです。

実際のところゼレンスキー氏の政治生命は終焉を迎えています。同様にウクライナの戦争も、終わりを迎えつつあります。トランプ政権の下でのアメリカの支援は、もはや期待できないでしょう。もちろんグローバリスト勢力の影響が残るヨーロッパの一部は、なおもこの戦争を維持しようと試みるかもしれません。しかし、この戦争がすでに失敗に終わったことを認識するのは時間の問題です。ヨーロッパ諸国もすぐに立場を変え、ノルドストリームの復旧に向けた交渉を始める可能性が高いでしょう。

いずれにしても我々は、今後慎重に対応していくことになります。まずはウクライナでの勝利を確実なものにすることが最優先です。アメリカの支援が事実上終了した今、ウクライナはもはや我々にとって大きな障害とはなりません。ウクライナ問題を解決した後、我々はまず自国の再生に本格的に取り組みます。そして次に、こうした状況を作り出した西側の勢力に対して、然るべき対応を取ることになるでしょう。

翻訳:林田一博